「看護師の役割」について
看護師の役割を改めて考えてみましょう。まずは基本から振り返り、初心を思い出してください。
看護師とは
「看護」という字は「手」と「目」で「護る」と書きます。目で見て手を使いながらケアをして、患者を護るという意味です。病気を観察するだけでなく、患者全体を看護しなければなりません。看護師の職場は医療機関や介護施設、企業、学校など多岐に渡ります。その中でも主な仕事は、診療の補助と療養上の世話の2つです。
診療の補助については、医師の指示を待つだけでなくスムーズに処置を行えるように事前の準備や患者の状態の観察、報告、説明、後片付けなどを自ら率先して進めていかなければなりません。療養上の世話は食事や排せつ、入浴、体位変換など患者が日常生活を送る上で必要な動作の支援を行うことです。療養上の世話をしていく中で、いつもと患者の様子が違うようであれば即座に報告し、処置をする必要があります。患者の近くにいる看護師だからこそ気付けることも多く、医療現場において重要な役割を担います。
必要不可欠な存在
いわずもがな、医療現場において看護師は非常に重要なポジションにいます。処置は医師が行いますが、患者の異変に気付くのは看護師の役割です。異変に気付くことができなければ処置そのものを行えず、重大な事態に陥る恐れもあります。異変に気付くためには、患者の普段の状態を把握していなければなりません。そのため、看護師は患者と頻繁にコミュニケーションを取り、情報を共有する必要があります。小さな異変に気付くことが、質の高い医療の提供へとつながります。
役割を全うしよう
看護師は、医療現場における仲介役として機能します。患者と医師、他職種と医師、患者と家族など、あらゆる関係性の中で仲介役として重要な情報を伝えます。看護師は患者やその家族の気持ちを汲み取った上で寄り添いながら心身のケアを行います。表面上だけでなく、精神的な看護も意識して行わなければなりません。看護師の基本的責任について、ICN看護師の倫理綱領では、「健康を増進」「疾病を予防」「健康を回復」「苦痛を緩和」と定めています。それぞれの責任を果たすことが、看護師として活躍していくためには必要です。
以上が、看護師としての基本的な役割です。これを大前提として、日々の仕事の中で自分なりの看護観を構築し、理想の看護師像に近づけるように邁進していきましょう。看護師は医療現場において必要不可欠な存在です。それがやりがいになり、さらなるステップアップにもつながります。