自律神経が乱れやすくなる
看護師は自律神経が乱れやすい仕事です。その理由や、自律神経の乱れから起こる症状を見ていきましょう。
なぜ乱れやすいのか
昼夜交代のシフト制で働く看護師は、生活リズムが不規則になり自律神経が乱れがちです。自律神経は日中に活動するための交感神経と夜に休息するための副交感神経がバランスを取りつつ機能しています。そのため、本来休息すべき時間である夜に働くことによって自律神経が乱れてしまい、不調に陥ります。加えて、自律神経はストレスを感じることによって乱れやすくなります。看護師はストレスの多い仕事なので、心身へのダメージが回復しない状態が続くことでさらに自律神経が乱れてしまいます。
具体的な症状
自律神経が乱れると、不安やイライラといった心理的な症状、めまいや腹痛などの身体的な症状が生じます。自律神経が乱れる原因は人によって違いますが、例えば常に焦燥感があり何かやっていないと落ち着かない状態の場合、交感神経の緊張が続いていると考えられます。昼夜交代のシフト制による生活リズムの乱れが続くと、月経前不快気分障害、更年期障害、ホルモンの乱れ、不安、悲しみなどの精神的な負担の大きい症状が生じます。それがさらにストレスを感じる要因になり、心身が弱っていくといった悪循環に陥るため、対策が必要です。
自律神経が乱れるきっかけは、何らかのストレスによって興奮や緊張を司る交感神経が優位になるケースがほとんどです。通常、人間が活動する日中に交感神経が優位になるのであれば問題ありません。しかし、本来休息すべき時間帯に交感神経が優位になってしまうと疲労が回復せず、心身に様々な負担がかかってしまいます。
自律神経の乱れが続くと
自律神経の乱れが続くと、やがて不定愁訴になります。不定愁訴とは、反復して起きる身体の訴えや症状のことです。倦怠感や不眠、疲労感、多汗などの全身症状や、不安や抑うつ、パニック障害などの精神症状が挙げられます。
また、自律神経の乱れは心身症の発症リスクを高めます。心身症とは、心理社会的要因が大きく関わる身体疾患の1つで、臓器や器官に異常が生じるものです。例えば、ストレスを感じたことをきっかけに胃潰瘍になったのであれば、自律神経の乱れによる心身症といえます。消化器系だけでなく甲状腺機能亢進症や糖尿病などに影響する恐れもあるので、自律神経の乱れを放置することは非常に危険です。
まとめ
このように、看護師は自律神経が乱れやすい仕事です。心身を健康に保つためにも、自分が看護師として働く上で大切なことを見失わないようにしましょう。